美しい名入れ彫刻の基本|タイポグラフィを知ろう【文字編】

当店では、名入れ彫刻でお客様の想いをより伝わりやすくするために
編集や広告、グラフィックデザイナーが用いるタイポグラフィの考え方を
実践いたしております。
少し専門的な内容となっておりますが、
名入れ彫刻で【お気持ちを上手に表現する方法】や
当店が行っている【美しく文字を整える方法】をご紹介します。
ゆっくりとお読みいただければ幸いです。
タイポグラフィとは?
今では文字を使った表現のすべてを指して“タイポグラフィ”と呼びますが、
以前は“活版印刷術”のことを指していました。
明治時代以降、中国から伝わった印刷技術が進歩し、
文字や写真をコンピュータ上で拡大・縮小したり
読みやすく文字間を整えるなどの工夫がされるようになりました。
現在では、文字を視覚的に読みやすく配置する技術とされ、
文字をデザイン要素として用いることで見た目の美しさから
思いを伝えることができるようになりました。

1.無意識のうちに感じている<文字の印象>とは
文字とは、言葉を伝達・記録するために利用されています。
点や線などの視覚的に判別できる要素で形成されており、
無意識のうちに文字の形(見た目)から一定の印象を感じとっています。
< 書体 = 印象 >
漢字 = 重い、真面目
ひらがな = やわらかい、やさしい
カタカナ = 軽い、現代的
アルファベット = 図形的
漢字の特徴は、文字の形だけである程度の意味を伝えることができます。
ひらがなの特徴は、『女手』とよばれる流れるような曲線フォルムです。
※漢字は『男手』と呼ばれ強さや包み込むような印象があります。
カタカナの特徴は、直線的でシンプルです。
“有難う” or “ありがとう” or “アリガトウ” or “Thank you”
どんな想いを届けたいですか?
書体ご選択のポイントとして頭の片隅に残していただければ幸いです。
2.文字を<美しく揃える>ことの大切さ
タイポグラフィの基本は、文字の見た目を揃えることです。
『文字の左右の空間』+『文字の大きさ』
2つを揃えることが重要です。
こちらは、書体<HGP明朝B>を選択し
文字入力した際の流れを表したものとなります。

漢字を選択する場合、多くは正方形の中に収まっていますが
『月』や『日』のように、少し細長いものもたくさんあります。
また、アルファベットと漢字の組み合わせでは高さが
ずれる場合があります。
左右の文字間を均等に合わせること、高さを合わせることで
美しい配列ができあがります。
ひらがなやカタカナの場合、
ひらがなの多くは円の中に収まっていますが、『い』や『へ』のように
平たい文字や、『う』や『し』のように細長い文字もあります。
ひらがなでも組み合わせによって左右の空間にばらつきがでます。
カタカナは要素も少なく文字全体をまとめやすいですが、
『エ』や『ニ』のように平たい文字や、『ト』や『リ』のように
細長い文字は調整が必要となります。
※ 当店では文字の組み合わせによって生じるばらつきを調整し
名入れ彫刻を行っております。

3.欧文(英文)の<特徴と魅力>
アルファベットは図形的な印象を感じることをお伝えしました。
文字を通して想いを込めたメッセージを伝えるには2つの方法があります。
1.『文字を見せる』方法
2.『文字を読ませる』方法
ブランドのロゴマークや洋服へのプリントに英字が使われているのは
文字自体が図形的なデザイン性を兼ね備えているという点もあります。
文字間を詰めると可読性は下がりますがロゴデザインとして有効な場合があり、
お洒落にしたいけどデザイン彫刻はちょっと・・・という方にもお薦めです。

お二人のイニシャルやお祝いタイトルの文字をデザイン制作いたします。
お気軽にお問い合わせください。
次に、大文字に小文字を少し食い込ませた方がきれいに見える文字の組み合わせを
“カーニングペア”と呼びます。
また、複数の文字を一つの文字としてデザインした文字のことを
“合字”とよばれるものもあります。

※ 当店では【スペースに対する彫刻文字数】と【商品サイズ】から
バランスを考慮し、美しく見える<文字サイズと文字間>を調整しております。
また、ご選択書体によりカーニングペアを行っております。