欧文書体の歴史をご紹介|ラグジュアリーブランドのロゴ書体とは?

□ 書体の歴史 □
私たちが日ごろ、雑誌や商品、ウェブや広告などで目にしている
<欧文書体>の原点は、今から二千年前にさかのぼり
古代ローマの碑文(石に刻まれた文字)が原点となります。
1450年に活版印刷技術が登場してからは
読みやすさ、美しさ、レイアウトなどが書体の考え方に
影響を及ぼすようになります。
現代ではデジタルフォントを作るデザイナーが生まれるほど、
文字の重要度が高まっています。
(映画や雑誌、商品のブランディングなど)
感情をも動かすデザインとして進化を遂げた欧文書体。
名入れ彫刻においてもお祝い目的や受け取る方に合わせ
書体をお選びをいただけますと世界観が演出できます。

Garamond|ギャラモン <フランス生まれの優美なセリフ体>
16世紀に活躍した、フランスの活字製造者
クロフォード・ガラモンの活字を元にした書体となります。
ー 特徴 ー
使いやすいスタンダードなセリフ書体は日本語との相性も抜群です。
(日本語の中の数字としてもすっきりと馴染みます)
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Bodoni|ボドニ <繊細さと強さを持つ、気品ある書体>
1790年に、イタリアの活字製造者ジャンバティスタ・ポドニが
自らが印刷監督官をしていたパルマ公国印刷所の専用書体として製造されました。
このセリフ体は【モダン・ローマン体】と呼ばれ、
活字書体の歴史に新しい風をもたらしました。
ー 特徴 ー
セリフ部分がとても細く文字の縦横の太さの差が大きいことです。
また、当時の活字書体の特徴ともいえる手書き風のニュアンスを消し去り
機械的で幾何学的なフォルムをしています。
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Century|センチュリー <アメリカが生んだポピュラーな書体>
1895年に、アメリカの雑誌『センチュリー・マガジン』で使用する書体として
同国のリン・ボイド・ベントンとテオドール・デ・ヴィネが共同で制作しました。
ー 特徴 ー
狭いスペースに多くの文字を組むことを目的としているため
小文字が大きく狭い字幅で設計されています。
日本では戦前から数十年にわたり、多くの教科書に使用された書体でもあり
世代によっては親しみのある書体となるかもしれません。
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Futura|フツラ <革新的な幾何学的な書体>
1927年、ドイツの芸術家であり画家・ブックデザイナー・タイポグラファと
多彩な才能を持っていたポール・レンナーによって生み出されました。
“Futura”はラテン語で“未来”を意味します。
看板文字として生まれたサンセリフを
本文組でも美しく使えるように細部までデザインされた書体です。
ー 特徴 ー
ひとつひとつの文字が直線や円をベースにした
幾何学的な形をしていることです。
OMEGA、Supreme、DOLCE&GABBANA、Volkswagen
のロゴ書体
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Times New Roman <エッジのきいたシャープな書体>
1932年に、イギリスを代表する新聞『ザ・タイムズ』で使用するために
同国のタイポグラファ、スタンリー・モリスンの監修により生まれた書体です。
ー 特徴 ー
紙面の限られたスペースに文字を効率的に組めるように設計されています。
また、粗雑な印刷でも読みやすいように、やや太めの文字に鋭くとがったセリフが
ついています。
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Optima|オプティマ <エレガントなシンプルさが作り出す美しさ>
1950年に、ドイツのヘルマン・ツァップによって生みだされました。
ー 特徴 ー
縦線と横線の太さが異なり、縦線の方が太いため
独特の美しいフォルムが作られます。
ゴディバ、グッチのロゴ書体
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Century Gothic|センチュリーゴシック
1974年に【Optioma】の製作者、
ヘルマン・ツァップが挑んだ新しいローマン体です。
ー 特徴 ー
カリグラファでもある、作者の独特な感性が加えられた古典的でありながら
現代的な雰囲気を持った書体です。
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ラグジュアリーブランド・ランキングとロゴ書体の流行について
(ブランド・コンサルティング インターブランド2019発表結果から)

1位 LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)|サンセリフ
2位 CHANEL(シャネル)|サンセリフ
3位 HERMES(エルメス)|セリフ
4位 GUCCI(グッチ)|サンセリフ
5位 Cartier(カルティエ)|スクリプト
※サンセリフ体とは和文書体のゴシック体になりセリフ体とは明朝体のイメージとなります。
スクリプト体は手書きの続き文字で筆記体とも類似しています。
2018年には、BALENCIAGA(バレンシアガ)、BURBERRY(バーバリー)、
Berluti(ベルルッティ)、CELINE(セリーヌ)がロゴを変更しています。

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変更を行ったブランドはいずれもシンプルなサンセリフ体へ変更しており
今後、他のブランドも同じ流れを歩むかが注目されています。
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